メーター取り付けカバーの製作

ahche dee  mail BACK HOME Online Shop

 

Google

今回の依頼は、

左の3つのメーター類を埋め込む
カバーを作るというものです。

そして、表面はカーボンで仕上ます。

実は、当初打ち合わせしていたのは
取り付けるのは2つだったのですが、
急遽、1つ追加になりました。

加工する車輌は、

ニッサンのシルビアS15です。

 

打ち合わせの段階では、

ハンドルの左側のスペースを

利用して、その部分に埋め込む

為のカバーを作るという内容でした。

矢印の部分は、エアコンのセンサーが

あるので、なるべくこの部分は

加工しない方向で作業する予定でした。

 

ハンドルの右側は、

黄色の部分をくりぬいて、

ユニットを埋められるカバーを

作るという内容でした。

まず、左側の加工部分の

寸法を測ってみると

すでにスペースいっぱいで・・・

 

メーター自体も

ギリギリ入るかはいらないかという

状態・・・。

どう考えてもセンサーの部分から

加工しないと装着できません。

当初の予定通りには

いかないので、作業内容から

変更です。

ワンオフ作業では、

よくある事ですが・・・

右側のカバーも

メーターが追加になった時点で

予定の内容とは全然違うので、

こちらは完全に作り方から

考え直しです・・・

 

お客さんと打ち合わせをして、

まず、イメージを教えてもらい

本当にそのイメージどおりになるか

まず検討する事からはじめます。

 

メーターの寸法、車輌の構造など

をいろいろと考え、何とか

イメージどおりのところに

メーターが来る事が分かったので、

作業を開始・・・

自分はメータの固定を両面テープでと

考えていましたが、お客さんの

こだわりで、耐震対策という事で、

”スポンジで挟み込んで固定”する

という方法に急遽変更に・・・

む・む・む・難しいですね!

はじめてのやり方なので、

いろいろ悩みましたが、まず

メーターを入れる箱を作り

その中にスポンジで押さえ込んで

固定するというやり方にしました。

スポンジはお客さんが、厳選した

一品です。

スポンジのテンション(負荷)と

クリアランスの加減がなかなか・・・

難しかったですね。

土台が出来たので、

ノーマルのカバーをくりぬき

仮合わせしてみて、レイアウトを

決めます。

上のメーターは、ツライチで、

下のユニットの位置は、

それに合わせて

決定します。

完成イメージの断面です。

 

位置が決まったら、FRPを

貼りこむ準備をします。

カバーになる部分を成形します。
余分な部分をカットした状態。
次に、造形用の樹脂で

ある程度の形になるように

盛り付けていきます。

固まったら、

削っていって形を成形していきます。

 

打ち合わせした時は、

赤い線のように横まで張り出して

フラット感を出す予定だったのですが、

デザイン的にやぼったくなるのと、

ノーマルのラインが崩れてしまうので、

デザインを変更する事に・・・

お客さんのイメージが、

”まるで純正品のような仕上がり”

という事なので、今回は

ちょっとアレンジしちゃいました。

 

次は左側です。

これがエアコンのセンサーです。

穴が開いている部分の裏側に

付いています。

ここらか室内の空気を吸い込んで、

車体の室温を管理しています。

なので、外す事などが出来ません。

今回はこれがやっかいですね・・・

ケースが大きいので、コレを

サイズ変更したのを作ろうかな

と思い・・・

分解して、みていろいろと

悩みましたが、不具合が出ても

意味がないので、今回は

このまま使う事にしました。

センサーを固定する部分を

アルミで製作。

理由は、車体とのクリアランスが

ないのとカバーに負担が

かからないように軽量にしたい

と言う事からです。

どこに付けるのかというと、

メーターの背面のわずかなすき間です

センサーはこのように付きます。

 

センサーは、長方形ですが、

とても長方形を取るだけの

ゆとりがないので、縦長状にして、

断面積をセンサーの面積に

合わせる事で、センサーへ流れる

空気の量を同じにします。

また、メーターのカド(青い部分)が

じゃまで、センサーに風が流れにく

そうだったので、カドを落とします。

 

あまりカドを落とすと今度は

メーターが入らなくなってしまうので、

ギリギリのところで調整します。

 

これで、何とかセンサーへ風が

流れるような構造になりました。

アルミの合わせ部分は、

薄い肉厚でも溶着出来る

特殊な溶棒で溶着。

※ロウ付けではありません。

詳しくはこちら

仮組みをして
FRPと接着剤で固定します。
センサーも問題なく

固定できるようになりました。

メーター左側の穴が

センサーへの入り口です。

 

今回はホントにギリギリでした
車輌側を加工して、

合わせてみます。

車輌側もギリギリめいっぱい

の状態ですが、何とか収まりました。

右側のカバーもあわせてみます。
こちらも特に問題もなく

装着できました。

 

ライトのスイッチを入れる部分を

くりぬき、大まかな形が出来ました。

お客さんにも見に来てもらい、

アレンジした部分なども

確認していただき

デザインなどもOKを頂いたので

これからカーボンの貼り付け作業です。

こっちは若干変更に・・・

左下の処理の仕方がイメージと

違うようです。

自分が作った状態は、

オーディオのラインに合わせて

処理をしたのですが・・・

左下の処理の仕方を赤い線のように

とがらすようなイメージでと言う事でした。

早速、修正して確認を

してもらいましたが・・・

更に修正・・・

お客さんのこだわりポイント

どこか分かりますか?

ここです。
このカバーの左上の部分の

処理に合わせて欲しいということで、

ほんのちょっとだけ平らな部分を

作りました。

これでようやくOKが出ました。

カーボンも当初は平織りで貼る

予定でしたが、お客さんが

悩みに悩んだ結果・・・

綾織りに変更

 

仕様が決まったので、

あとはカーボンで仕上げて、

こだわりの

スポンジでメーターを固定して

完成です。
いろいろ悩んだセンサーも

無事に装着できています。

赤い部分がセンサーです。
なるべく一体感のある仕様に

仕立てました。

右側もすっきりとなじんでいます。
メーターの脇の黒いのは

メーターを取り外しできるように

リボンを付けています。

メーターの配線加工はお客さんが

自分でやるので、外しやすいように

しています。装着後は切るか隠せば

見えなくなります。

※ラジコンのバッテリーについている

紐と同じ効果です。

 

ドアの内張りにも干渉せず

問題なく使用できます。

なかなかいい雰囲気に

仕上がりました。

結局は当初考えていた内容とは
まるっきり違う作業になってしまい、
時間もコストも、自分が考えていたよりも
かなりかかってしまいましたが、
お客さんが満足してくれたので
よかったです。

 

H20,12

 

mail BACK HOME Online Shop